1. 革靴の平均寿命は何年なの?

革靴の平均寿命は何年なのかという疑問をお持ちの方も多いだろう。だが、この質問に答えるのはとても難しい。それは、革靴は履く人の体重や着用頻度、お手入れの仕方によって寿命が変わってくるからだ。ただ、革靴の製法によって寿命が大きく異なるのも事実だ。この製法ごとの寿命について解説していく。
一般的な革靴の傷み方
あまりお手入れをせず革靴を履き続けると、約1~2年でソール部分がすり減ってくる。ソールのすり減りが激しいと、歩くときに負担がかかったり滑りやすくなったりしてしまう。こうなると革靴は処分するか修理するかのどちらかになる。
革靴の場合、革自体はお手入れ次第できれいにできるが、ソールのすり減りを元に戻すことはできないため、ソールの寿命が靴の寿命と言い換えられる。
革靴の場合、革自体はお手入れ次第できれいにできるが、ソールのすり減りを元に戻すことはできないため、ソールの寿命が靴の寿命と言い換えられる。
製法による寿命の違い
ソールを交換できれば、革靴の寿命は延ばすことが可能だ。だが、すべての革靴がソール交換できる訳ではない。
グッドイヤーウェルト製法
グッドイヤーウェルト製法とは、ソールと靴の本体とを細革を介して縫い合わせるものであり、縫い目を解けば簡単にソールの交換ができる。比較的高価な革靴に使われる製法だが、何度もソールの交換が可能なので、お手入れ次第で寿命は20年以上となる。
マッケイ製法
マッケイ製法とは、甲革とソールを直接縫い合わせる作り方だ。革靴の内側の中底に縫い目があるのがこの製法の目印となる。数回はソール交換が可能なので、大切に履けば寿命は7年程度だ。
セメンテッド製法
セメンテッド製法は、甲革とソールを接着剤で貼り合わせた作り方だ。この製法の革靴は2-3回程度がソールの交換の限界といわれており、寿命は最も短く約2~4年となる。
2. 革靴の寿命の目安や判断基準

革靴が寿命を迎えたときは、どのような状態になるのだろうか?判断の基準を説明する。
ソールのすり減り
先ほど説明したように、ソールのすり減りは革靴の寿命を左右する。靴底のつま先やかかと部分は、歩き癖によってはすり減りやすい。そのままにしておくと、体のバランスまで悪くなってしまう。
気になる臭い
革靴から気になる臭いが発生したときも、寿命を迎えたと考えてよいだろう。カビや汗が混ざって雑菌が発生している場合、この臭いはなかなか落とせないからだ。
3. 革靴が寿命を迎えた時の対処法

革靴が寿命を迎えたときの対処法は2つある。1つ目が、新しい靴に買い替えること。2つ目が、修理に出すことだ。どちらを選んだらよいかの判断基準を解説する。
買い替えたほうがよいとき
革靴から強烈な臭いが出ているときは、クリーニングなどを施しても消臭できない可能性がある。寿命だと諦めて、新しいものに買い替えたほうがよいだろう。
ソールのすり減りがあるときは、革靴の製法を確認しよう。縫い目のないセメンテッド製法なら、寿命なので買い替えが必要だ。
ソールのすり減りがあるときは、革靴の製法を確認しよう。縫い目のないセメンテッド製法なら、寿命なので買い替えが必要だ。
修理に出したほうがよいとき
反対に、修理に出せるものはどのような状態の革靴なのだろうか?まずはソールの交換が可能な製法なのかを確認してみよう。実際に修理業者や販売店に靴を持っていき、修理できるかどうかを問い合わせることも必要だ。見積もり金額を聞いて、新しく購入するか修理するかを決めてもよいだろう。
4. 革靴の寿命を伸ばす方法やコツ

革靴の寿命をなるべく延ばすためには、どのようなお手入れが必要なのだろうか?日頃のケア方法を解説する。月に1度お手入れをすることで、革靴の寿命は延びる。
必要なケアグッズ
- 馬毛のブラシ
- シューズクリーナー
- 靴と同系色のクリーム
- クロス(柔らかい布)
- 防水スプレー
- 木製のシューキーパー
手順
- ブラシで革靴全体の汚れを落とす。
- クリーナーをクロスに取って、革靴全体に薄く塗っていく。
- クロスの汚れていない箇所で、クリーナーを拭き取っていく。
- 靴と同系色のクリームを薄くムラなく靴全体に塗る。ひび割れが気になるところがあれば、しっかり塗ると艶が出る。
- 革靴全体をクロスのきれいな部分で磨く。
- 仕上げに防水スプレーをかける。防水スプレーを使うと、革靴の寿命を縮める汚れと水分を避けることができる。
- シューキーパーを革靴の内側に入れて保管する。
結論
ここまで、革靴の寿命について解説してきた。革靴の寿命は、扱い方や履く頻度などによって大きく変わってくる。なるべく長く着用したいなら、日頃のお手入れが必須だ。また、革靴の製法によっては修理できないものがある。修理できる製法は高価な場合が多いが、修理しながら長く履ける。ずっと愛用できる革靴が欲しいなら、デザインだけでなく製法にもこだわって選んでみよう。