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じゃがいもの歴史とルーツを探る!「悪魔の植物」と呼ばれていた理由

じゃがいもの歴史とルーツを探る!「悪魔の植物」と呼ばれていた理由

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2020年2月17日

夏場以外は1カ月程常温保存が可能なじゃがいもは、常備しておきたい食材の代表格である。日本では主にカレーの具材や肉じゃが、スナックの材料として親しまれていて、様々な調理方法のある優秀食材だ。この記事では、そんな私たちにとって馴染みの深い食材である「じゃがいも」のルーツについて紹介していく。

  

1. じゃがいもの起源

実はじゃがいもはナス科の植物だということをご存知だろうか?私たちが普段食しているのは根の部分で、収穫せずに花が実を結ぶまでになると、同じくナス科の野菜であるトマトによく似た実がなるのだ。

そんなじゃがいもだが、その原産地は南米アンデスの「チチカカ湖半」だとされている。アンデスの山々に囲まれたこの地にはインカ文明をはじめとした様々な文明が栄えた。そしてその発展に向け、日々土地を開拓し、重労働を課される人々の主食として活躍したのがじゃがいもだった。デンプン質で保存が効き、一度に多くの実がなるじゃがいもは文明を支える食基盤となったのだ。

アンデスではトウモロコシの栽培もおこなわれており、かつての研究ではアンデスの文明の食基盤はこのトウモロコシであるとされていたが、近年では様々な検証結果から「主食」はじゃがいもであったと見直されている。その後風味を増したり、収穫量を維持するために様々な品種改良がなされたじゃがいもだが、現代でもアンデスの山々には野生のままのじゃがいもが生息している。

2. 日本への伝播と、食用としてのじゃがいも

じゃがいもは新大陸を発見したスペイン人によって、15世紀から16世紀にかけてヨーロッパに広められた。ただ、当時のじゃがいもは食べ物ではなく観賞用の植物だったのだ。さらにはヨーロッパに持ち帰ろうとしたスペイン人が船内で試しに食べてみたところ、芽の毒にあたったため「悪魔の植物」とも呼ばれていたという。

その後じゃがいもが日本へ伝播したのは、オランダ人によって長崎に持ち込まれたのがはじまりだ。また、日本でも当初、じゃがいもは食用ではなく観賞用植物という立ち位置だった。食用化を試みる者もいたが、当時のじゃがいもはボソボソとした食感で日本人の口には合わなかったとされている。その後様々な品種のじゃがいもが持ち込まれると、北海道の開拓と並行して現地でのじゃがいも栽培が活発になっていく。一度に多くの量が収穫でき、主食にもなるじゃがいもの需要は急速に高まった。

全国的な広がりを見せた昭和初期には、米の代わりとして大変重宝されたという。特にじゃがいもに助けられたのは、小さな子供のいる家庭だった。当時の日本はまだまだ貧しい時代であったため、毎日栄養価の優れた食事を用意するのには限界があった。じゃがいもは育ちざかりの子供たちの貴重なエネルギー源として、多くの食卓で大活躍したのだ。

3. じゃがいもの語源と様々な呼び方

先述の通り、じゃがいもがはじめて日本へ伝来したのは、オランダ商船によって持ち込まれたのがきっかけだ。そして、その時のじゃがいもは、インドネシアの首都「ジャカルタ」から運び込まれたものだった。つまり「ジャカルタの芋」が「ジャガタラ芋」と呼ばれ、いつしか「ジャガ芋」と略されるようになったのだ。

また、日本では「馬鈴薯(ばれいしょ)」という呼び方もよく知られている。これは小野蘭山という江戸時代の本草学者(中国や東南アジアの医学・薬学)が名づけたもので、じゃがいもの形が馬につける鈴のように見えたことが由来とされている。

その他にも、じゃがいもは日本の各地方で様々な呼ばれ方をされている。

じゃがいもの様々な呼び方

・五升芋(ごしょういも)
・お助けイモ
・かぶたいも
・きんかいも
・二度芋(にどいも)、三度芋(さんどいも)

上記のように、たとえば、じゃがいもの収穫量が多いことを指して「五升芋(ごしょいも)」。年に2回も3回も収穫期があることから「二度芋(にどいも)」、「三度芋(さんどいも)」と呼ばれることもある。このようにじゃがいもの収穫効率の高さを表した呼び名も多く、それだけ多くの人々の食糧基盤であったことがうかがい知れる。また、こうした多くの呼び名があるのは、じゃがいもがそれだけ日本全国様々な地方で活用されているためでもあるのだ。

結論

じゃがいもはその収穫効率の高さや保存のしやすさから、開拓期や貧しい時代の食糧基盤として人々を支えてきた。今も昔も手軽なエネルギー源として食卓で大活躍してくれるじゃがいもを、ぜひこれからも活用していこう。
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  • 公開日:

    2017年8月23日

  • 更新日:

    2020年2月17日

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