1. そもそもキムチとは

韓国の伝統料理であることは分かっていても、それがどういったものかきちんと説明するのは難しい。
実は唐辛子は後付け
韓国では既に7世紀から寒い冬に対する貯蔵方法として野菜の塩漬けが始まっていた。これがキムチの元祖である。初期のキムチは単純な塩漬けだったが、12世紀頃になると各種香辛菜類が加わり、独特の味になって来た。実は韓国に唐辛子が伝わったのは16世紀からで、本格的に「辛いキムチ」が作られるようになったのは18世紀の頃だ。キムチという言葉の由来は「野菜の塩漬け」を意味する「沈菜(チムチュ)」だと言われている。
現地一番人気は鍋
韓国の人が最も好んで食べる料理はキムチチゲ、つまりキムチを入れた鍋だとされている。日本でもキムチ鍋は人気で、鍋の具やキムチの量を調節すれば辛さが苦手な人でも食べられる。辛い方がよいというわけではないのだ。
2. キムチの種類は沢山

主に原料の種類、形態、使っている副材料の種類と使い方でおおまかな分類がされる。
主原料は圧倒的に大根
意外なことに、日本人が想像する白菜キムチの種類はそんなに多くない。分類上187種とも言われる中、圧倒的に多いのは大根キムチの62種なのだ。次いでその他の野菜キムチ類54種、白菜キムチは25種。キュウリが10種、日本人には馴染みのない海藻キムチが5種、その他21種となっている。
季節の野菜で種類が変わる
野菜の旬と連動して四季キムチが展開する。春は初物白菜で作ったヘッベチュキムチ、ナバクキムチが代表だ。夏はさっぱりとしたキュウリのオイキムチ、秋は丸白菜を使ったトンベチュキムチや大根角切りのカクテキが登場する。冬もトンベチュキムチとカクテキの他、冬場専用の初冬に作られるキムジャンキムチが有名である。
地域によっても変化
一般的な丸白菜キムチはどこでも見られるが、北方の寒い地域ではあまり塩辛くなく、魚の塩漬けや唐辛子も控えめであっさりしている。果物の梨を入れた水キムチなら日本の子供でも食べやすいかもしれない。これに対し、南方の温かい地域では唐辛子や塩を沢山使ったキムチを漬ける。ちょっとクセの有るキムチが食べたい大人には南方のキムチがおすすめだ。
3. 調理方法で子供でもOK

もちろんそのまま白米のおかずとして食べるのも最高だが、ほんの少しのアレンジで美味しいキムチ料理が出来上がる。
豚キムチ
大好物の人も多いご飯のお供。長ネギやショウガをよく炒め、豚肉も合わせて炒めてからキムチを投入する。この時入れるキムチの量で辛さを調節するのだが、最後に卵黄を落として混ぜるとマイルドになる。丼にのせて温泉卵を落とすのもおすすめだ。
キムチチャーハン
こちらも卵がミソである。チャーハンを作る要領で具にキムチを足すのだが、ここで卵を絡めると辛い物が苦手な人や子供でも美味しく食べられる程度に辛さを調節できるのだ。
キムチそのものに工夫
大人用の辛いキムチを水洗いしてしまうという手もある。旨味と香りは残しつつ、唐辛子だけ洗い流してしまおう。きっちり水気を絞ってゴマ油で炒めるだけで、辛みを飛ばしたキムチ炒めの出来上がりだ。ご飯にのせれば子供でも美味しく味わえる。カクテキなら洗い流しやすいかもしれない。
結論
同じ主原料でも副素材で様々な変化が楽しめるキムチ。韓国では香辛料の旨味を活かしつつ唐辛子は省いた「お子さまキムチ」が売っているのだそうだ。日本人には梅干しのキムチもおすすめだ。発酵食品なので乳酸菌が豊富だから、体にもよい。スーパーで買うだけでなく、たまにはキムチ専門店も覗いてみよう。きっと季節ごとの発見があって、楽しいに違いない。
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