1. オルヴァルの特徴

オルヴァルはベルギーの修道院で作られるウォッシュチーズである。牛のミルクから作られるチーズで、同じ名前のビールで洗いながら熟成させるのが特徴だ。オルヴァルビールは数あるベルギービールの中でも有名で、さわやかでフルーティーな風味が人気のビールである。表皮は鮮やかなオレンジ色で、中はクリーム色。一般的なウォッシュチーズのようにとろとろにはならず、セミハードタイプのチーズに近い食感がある。
味や香り
オルヴァルはウォッシュタイプのチーズとしては香りが穏やかで、食べやすいのが特徴である。ウォッシュチーズは外皮をむいて食べることもあるが、オルヴァルの皮は薄いので、むかずに食べても美味しい。口に入れると濃厚なミルクの風味が広がり、しっかりとしたチーズの味が感じられる。ほのかに漂うビールの香りと苦みが、ミルキーなチーズの味をよりいっそう引き立たせているのだ。
トラピストチーズとは
オルヴァルは修道院で作られるトラピストチーズのひとつだ。修道院とは、キリスト教の修道士や修道女が一定の戒律をもとに共同生活を行う場のことである。修行を目的とした場ではあるが、寄付金だけでは生活していくことができないため、修道院ではビールやチーズの製造・販売を行っていた。その中でもITA (国際トラピスト協会)が認定したチーズは「トラピストチーズ」と呼ばれ、Authentic TRAPPIST Product のマークをつけることができる。トラピストチーズに認定されているチーズは少なく、価値があるとされている。
2. オルヴァルの産地や食べごろ

オルヴァルはベルギー南部のワロン地方リュクサンブール州にあるオルヴァル修道院で製造されている。かつては修道士や宿泊客が食する分のみ作られていたが、近年量産されるようになり、ベルギー以外の国でも楽しめるようになった。とはいえ、まだまだ数の少ない希少なチーズであることには変わりない。また、オルヴァルと同じくトラピストチーズに認定されている「シメイ」というチーズもワロン地方で作られている有名なチーズだ。
食べごろ
オルヴァルは購入後、早めに食べるのがよいだろう。ウォッシュタイプのチーズは時間が経つにつれて特有の香りや苦みが増す。比較的優しい香りとはいえ、オルヴァルもウォッシュチーズのひとつであるので、なるべく早く食べたほうが余分なクセが感じられず美味しく食べられるのだ。
3. オルヴァルの食べ方

香りが控えめなオルヴァルは、ウォッシュチーズを食べ慣れていない人でも美味しく食べられる。まずはそのまま、つまみとして食べるのがよいだろう。やや香りが気になるという人はパンにのせて焼いたり、炙ったりするのがおすすめだ。ウォッシュ特有の香りが抑えられ、甘いミルクの香りが引き立つので、いっそう食べやすくなる。
相性のよい飲み物
ウォッシュチーズは一般的に製造に使用した酒と合わせて食べるのがよいとされており、オルヴァルも例外ではない。オルヴァルビールはベルギービールの中でも有名なビールなので、比較的手に入りやすい。ビールとチーズをセットにして販売しているところもあるので、試してみるとよいだろう。また、ワインと合わせるなら甘みのあるすっきりとしたワインがおすすめだ。クセの少ないオルヴァルはさまざまな飲み物と調和するので、自分好みの組み合わせを探してみるのも面白い。
結論
世界有数のトラピストチーズ、オルヴァルについて紹介した。オルヴァルといえばビールのほうが有名で、チーズはあまり知られていないが、ウォッシュチーズの味に慣れていない日本人にこそ食べてほしいチーズである。ベルギービールが好きな人はぜひ一度、試してみてはいかがだろうか。
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