もっと極めたい！しゃぶしゃぶの美味しさをアップする作り方のコツ

食材そのものの味を楽しむしゃぶしゃぶは、食材の選び方が重要。美味しいしゃぶしゃぶになるかどうかは、どのような食材を使うかによって変わってくるのだ。誰もが美味しい！と思えるしゃぶしゃぶにするためには、食材の選び方に重きをおくことが大切である。

食材の選び方でまず頭に入れておきたいのが、メインとなる肉の選び方。スーパーや精肉店では、しゃぶしゃぶ用と名付けられた肉を目にする。そういった肉は、しゃぶしゃぶに適した薄さにカットされているため、沸騰した出汁にくぐらせるとすぐに火が通る。肉のたんぱく質は、火を通しすぎると固くなるという性質があるため、すぐに火の通るしゃぶしゃぶ用の肉はその名の通り適した肉といえるのだ。肉の種類については、好みに合わせて選ぶのがベストな選び方。脂身の旨みを堪能したい人にはサシの入った牛肉や豚バラを、肉の旨みを堪能したい人には牛・豚のロースがおすすめである。

しゃぶしゃぶの名脇役ともいえるのが、野菜や魚介などの具材たち。しゃぶしゃぶの肉を生かすも殺すも、じつはこの脇役たちの存在にかかっているのだ。
しゃぶしゃぶで使う野菜の選び方は、「肉の存在を邪魔しない」「肉の旨みを引き立てる」というふたつのポイントが重要だ。加熱することで旨みが増したり、加熱してもシャキシャキとした食感を楽しんだりできるような野菜をチョイスするのが、具材選びのコツである。
魚介類に関しては、肉と同じように「しゃぶしゃぶ」して食べられるものがおすすめ。鍋に投入してしっかりと煮込まないといけないようなものではなく、生のままでも食べられるようなものを選ぶと、しゃぶしゃぶするだけですぐに食べることができる。出汁の味を変えてしまわない具材を選ぶのも、しゃぶしゃぶを引き立てる具材を選ぶときのポイントだ。

美味しいしゃぶしゃぶを作るために欠かせないのが、下ごしらえ。適切な下ごしらえの方法をマスターして、しゃぶしゃぶを極めてほしい。まず、はじめに取りかかる下ごしらえは、出汁の仕込み。鍋の中に水と出汁昆布を入れ、出汁の準備を行う。このときポイントとなるのが、出汁昆布を入れてから火にかけるまでの時間。最低でも30分以上は出汁昆布を水に浸し、ゆっくりと昆布から出汁を抽出するようにしてほしい。
野菜の切り方については、あまり小さく切りすぎないのがポイントである。小さく切りすぎると、鍋の中にすくいきれなかった野菜がどんどん取り残されてしまう。次第にしゃぶしゃぶした肉にも取り残された野菜がまとわりついてくるようになり、肉だけの味を楽しむことができなくなってしまうからだ。野菜の旨みを堪能するためにも、ある程度大きさを残してカットするようにしよう。

しゃぶしゃぶを美味しく味わうには、食材の選び方や下ごしらえの方法だけでなく、食べるときのコツをマスターしておく必要がある。美味しく食べるコツは、具材を鍋に入れる順番を守ることだ。沸騰した出汁の中にまず投入するのは、野菜から。中でも、しいたけやえのきなどのきのこ類を、まず始めに入れてほしい。なぜなら、きのこ類からは出汁が出るからだ。そのあとは火の通りにくい野菜を順番に投入し、最後に水菜や春菊などの青菜系野菜を投入する。この順番を守れば、旨みがアップするだけでなく出汁の温度が急激に下がるのを防ぐこともできるのだ。野菜に火が通れば、いよいよ肉の出番である。
しゃぶしゃぶの肉は、加熱しすぎないことが美味しく食べるポイントとなる。肉の薄さにもよるが、しゃぶしゃぶ用と記載された肉であれば、2～3回ほどしゃぶしゃぶするだけでOK。肉の色が完全に変わってしまう前に出汁からあげ、余熱で火が通るくらいの感覚でタレの中へと引きあげるのが、美味しく食べるコツである。