1. 絨毯を洗濯したほうがよい理由
絨毯やカーペットは「敷きっぱなし」が当たり前で、つい洗濯が後回しになったり、そもそも洗濯の必要性を感じていなかったりするかもしれない。しかし飲み物をこぼしたときのシミはもちろん、掃除機ではどうしても取りきれないホコリやダニ、糸くずや皮膚片、フケなどは蓄積されてしまう。
ハウスダスト対策になる
ご存知の通りダニは日本において危惧すべきアレルゲンのひとつだ。フローリングと比べても、絨毯には多くのダニが生息している。自分自身はもちろん、小さな子どもや床に接する頻度の多い赤ちゃんやペットのためにも、定期的に洗濯をしてダニやハウスダスト対策を講じることが大切だ。
2. 絨毯を洗濯する前の確認事項と洗剤の選び方
すべての絨毯やカーペットが洗濯できるというわけではない。思わぬトラブルを防ぐためにも見分けるポイントを覚えておこう。なお洗濯表示については消費者庁のサイトに詳しく書かれているので紹介しておこう(※1・※2)。
洗濯機で洗える絨毯
洗濯表示に「洗濯機」「洗濯桶」いずれかのマークがあれば、ご家庭の洗濯機で洗える絨毯やカーペットである。
手洗いをしたほうがよい絨毯
洗濯桶に「手洗イ」の文字が書かれていたり、洗濯桶に「手」のマークがあったりしたら、手洗いが推奨されている絨毯やカーペットという意味だ。
洗濯できない絨毯
洗濯桶に「バツ」が描かれている絨毯やカーペットは水洗いができない。この場合のお手入れについては後述しているので、そちらを参考にしてほしい。
水洗いをおすすめしない素材
洗濯表示がない絨毯やカーペットもある。その場合はある程度素材で判断できるので覚えておこう。たとえばウールやシルクなどの天然素材、毛足があるシャギー、絹などの高級素材でできている絨毯やカーペットは水洗いしないほうがよいだろう。また化学繊維でも、水濡れすると縮むおそれがあるレーヨンやキュプラといった素材もおすすめしない。どうしても判断できないときは、メーカーや購入店に確認するなどしよう。
色落ちチェック
色落ちが不安なときは、水に濡らして固く絞った白い布を押し当ててみて色が移らないか確認するとよい。あるいは、洗剤の原液を白い布に含ませてポンポン叩く、といった方法もある。いずれも、目立たない部分で試そう。
洗剤は何を使う?柔軟剤は?
素材に優しい液体の「オシャレ着用中性洗剤」を使うとよいだろう。またフワフワに仕上げるには柔軟剤の使用もおすすめする。
3. 絨毯をご家庭の洗濯機で洗う方法
それでは、絨毯を洗濯する方法を見ていこう。まずはご家庭の洗濯機で洗う場合だ。なお説明は絨毯のみとするが、カーペットにも通ずるので覚えておくとよい。
用意するもの
- オシャレ着用中性洗剤
- お好みの柔軟剤
- 折りたたんだ絨毯が入る大きさの洗濯ネット
洗濯機で洗う手順
- 掃除機やブラシをかけ、ホコリなどをできる限り取り除く
- 水に濡らして固く絞った雑巾などで表面を拭き掃除する
- 絨毯を屏風折り(蛇腹折り)にして洗濯ネットに入れる
- 洗剤と柔軟剤をセットし「大物洗い」などのコースで洗う
- 脱水まで済んだら速やかに取り出し、風通しのよい日陰に干す
屏風折りや蛇腹折りは、絨毯のサイズあるいは重さなどによっては難しいこともある。その場合はできるだけ汚れた面が外側にくるように折りたたもう。洗濯機から絨毯が飛び出したり素材が傷んだりするのを防ぐため、洗濯ネットは必須だ。
4. 絨毯を手洗いで洗濯する方法
手洗いが推奨されている、あるいは洗濯機に入らない(容量オーバー)といった絨毯は、浴槽を利用して手洗いをしよう。
必要なもの
手洗いをする場合は、オシャレ着用中性洗剤と柔軟剤のみでよい。
浴槽で洗う手順
- 浴槽に40℃程度のぬるま湯をはり、洗剤を適量溶かす
- 絨毯を1時間ほど浸け置きする
- 時間がきたら足で「踏み洗い」をする
- ぬるま湯を2〜3回入れ換えながら、泡立たなくなるまですすぐ
- 1時間ほど、浴槽のふちに立てかけるなどして水を切る
- 風通しのよい日陰に運んで干す
手洗いする場合は踏み洗いが基本になるので覚えておこう。絨毯の表だけでなく途中で裏返すのも忘れないようにしてほしい。また洗いの最中でも、洗濯液が汚れたらその都度入れ替えるとよい。柔軟剤を使うときは、最後のすすぎのときに入れよう。
5. ご家庭で洗濯した絨毯の干し方
ただでさえ乾きにくい絨毯は、濡れたままの状態が長く続くと雑菌が繁殖して生乾きのイヤなにおいが発生するおそれがある。効率よく乾かすための干し方も覚えておこう。
物干し竿2本で「M字干し」がおすすめ
物干し竿2本をまたぐように絨毯を掛けたら、物干し竿同士の間に「谷」がくるようにすればM字干しになる。風が当たる面積を少しでも広くすることで速乾を目指そう。
物干し竿が1本しかないときは「三角干し」をしよう
1本しかない場合は、まず普通に絨毯を掛けてから両端をずらす。ちょうど三角形が2つできるはずなので、この状態で乾かそう。
ときどき裏返すのもポイント
少しでも速く乾かすためには、ときおり裏返してあげるとよい。なおとくに指定のないものは天日干しできるケースもある。そのほうが速く乾くが、長時間紫外線にさらすとダメージを受けるおそれもあるため気をつけよう。
6. 絨毯をご家庭で洗濯するメリット・デメリット
ご家庭で絨毯を洗濯することのメリット・デメリットをまとめた。一長一短があるので、メリット・デメリット両方を踏まえたうえで洗濯するかどうか判断してほしい。
メリット
自分の都合のよいタイミングで洗濯できる点、コインランドリーやクリーニング店に持ち運ぶ手間や費用がかからない点などがメリットだ。
デメリット
大物なので洗濯が大変な点、脱水および乾燥に時間がかかる点、干している間はスペースをかなり消費する点などがデメリットになってくるだろう。また素材によっては色落ちしたり縮んだり、型崩れしたりといったリスクも排除できない。
7. 絨毯はコインランドリーでも洗濯できる?
ご家庭の洗濯機で洗える絨毯やカーペットであれば、コインランドリーでも洗濯できる。近所にある場合は利用するのも手だ。
コインランドリーで洗濯できる絨毯のサイズは?
設置されている洗濯機の容量にもよるが、たとえば3畳程度であれば容量27kgの洗濯機で洗えるだろう。ただし洗濯乾燥機を使う場合、洗濯と乾燥で容量が異なることが多い。その場合は小さい方(多くは乾燥)の容量に合わせるのが原則だ。ちなみに「◯kg」は乾いた状態での重さを指すので覚えておこう。
コインランドリーを利用するメリット・デメリット
大型の絨毯でも気兼ねなく、しかも奥までしっかり洗える点はメリットだろう。また熱風による乾燥で高温に弱いダニを死滅させられる点もハウスダスト対策として非常に有効だ。洗濯乾燥機であれば、コインを入れて運転ボタンを押せば洗濯から乾燥まで自動でやってくれるのも楽でよい。逆にデメリットとしては費用がかかる点、近所にないときは利用できない点、ほかにも利用者がいるので自分のタイミングで洗濯できないことがある点などだろう。
コインランドリーで絨毯を洗う時間や費用は?
料金設定は店舗によって異なるほか、設置されている洗濯機や乾燥機、あるいは洗濯乾燥機などによっても変わってくる。そのためあくまで目安だが3畳ほどの絨毯であれば60分程度で2,000円を見ておくとよいだろう。少々高い気もするが、ダニ退治ができる点や楽な点を考えればコスパはさほど悪くないはずだ。
8. 絨毯をコインランドリーで洗濯する方法
コインランドリーで洗濯する手順と、効率よく乾かすためのコツをお伝えしよう。
用意するもの
ご家庭の洗濯機で洗うときと同様に、折りたたんだ絨毯が入るサイズの洗濯ネットを用意しておこう。洗濯洗剤は自動投入されるコインランドリーが多いので、基本的にはなくてもよい。だが中には手動で投入しなければならないコインランドリーもある。とくに、初めて行くコインランドリーでどんな洗濯機が置いてあるか分からないときは、念のため持参するとよいだろう。あとは小銭と時間つぶしのアイテムなどを用意すればOKだ。
洗濯の手順
- 絨毯を屏風折り(蛇腹折り)にして洗濯ネットに入れる
- 洗濯機に入れ、コインを投入してスタートボタンを押す
基本的にはこれだけだ。洗濯機と乾燥機が別々の場合は、乾燥機に入れる前に洗濯ネットから出しておこう。また洗剤を自分で投入するタイプの洗濯機だったときは、店内にある説明書などで投入口を確認しておこう。
効率よく乾かすコツ
- やや大きめの乾燥機を使う
- 余熱が残っている乾燥機があればそれを使う
- 途中で裏返す
少しでも速く乾かしたいときは、こうしたポイントを覚えておこう。少しでも安くあげたいからと小さめの乾燥機にギュウギュウに詰めてしまうと、十分乾かないおそれがある。効率よく熱風が回るよう、やや大きめの乾燥機を選ぼう(洗濯乾燥機の場合も同様)。また前の利用者の余熱が残っているものであれば、気持ち程度だが速く乾かせるかもしれない。
途中で裏返す場合、いったん乾燥機を停止させる必要がある。たとえば500円分乾燥させたいときは、先に300円だけ投入して時間がきたら裏返し、残り200円分を回すといったように工夫するとよいだろう。
途中で裏返す場合、いったん乾燥機を停止させる必要がある。たとえば500円分乾燥させたいときは、先に300円だけ投入して時間がきたら裏返し、残り200円分を回すといったように工夫するとよいだろう。
9. 絨毯の洗濯はどれくらいの頻度ですべき?
衣類やタオルなどと違い、大物である絨毯をご家庭で洗濯したりコインランドリーに運んだりするのは骨が折れる作業だ。とはいえ洗濯しないわけにもいかない。ではいったい、最適な絨毯の洗濯頻度とはどれくらいなのだろうか?
3〜6カ月に1回がおすすめ
おおまかな目安として3カ月から半年に1回、最低でも年1回は洗濯したほうがよい。もちろん、ご家庭の環境や汚れ具合、小さな子どもやペットの有無などで頻度は変わってくる。ハイハイ中や歩きはじめの子どもなどはとくに絨毯に触れる機会が多いため、頻度も高くしてあげるとよいだろう。
10. 洗濯できない絨毯のお手入れ方法は?
ご家庭で水洗いができない、あるいは水洗いはできるが色落ちや縮みなど不安があるといった絨毯やカーペットは、クリーニング店に相談しよう。
クリーニングに出すメリット・デメリット
なんといっても、プロの手で風合いを損なうことなくキレイに仕上げてもらえる点がメリットだ。ご家庭では落としきれない汚れもしっかり落としてくれるだろう。それに水洗いできない素材の絨毯やカーペットにも対応してもらえる。一方、引き渡しや受け取りに行く手間と時間が必要な点や、コインランドリーよりも高くつく点(目安として3畳3,500円〜など)はデメリットになるかもしれない。やはり一長一短があるので、両方を踏まえて検討しよう。
結論
絨毯には日々汚れが溜まっていく。放置すればダニの繁殖を招いたり、環境によってはカビが生えたりするリスクもゼロではない。お伝えしたようにご家庭で洗濯する、コインランドリーを利用する、クリーニングに出すなど絨毯のお手入れの方法はいくつもある。ハウスダスト対策としてぜひ定期的に洗濯しよう。
(参考文献)
- 1:消費者庁「洗濯表示(平成28年11月30日まで)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash.html - 2:消費者庁「洗濯表示(平成28年12月1日以降)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash_01.html
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