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シリカゲルを使った乾燥剤の写真

【乾燥剤の捨て方】発火の危険も!正しい処分方法や再利用アイデア

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2023年8月13日

食品のパッケージなどに入っている「乾燥剤」。不要になったものはどのように捨てているだろうか?乾燥剤には種類があり処分方法も異なる場合がある。発熱や発火のリスクなど注意したい成分もあるため、きちんと理解しておくことが大切だ。本稿では乾燥剤の種類別に捨て方を解説する。シリカゲルと石灰乾燥剤の再利用方法も紹介しているので、ぜひそちらも参考にしてほしい。

  

1. 乾燥剤の捨て方に注意|発熱や発火のリスクも

乾燥剤の写真
乾燥剤はパッケージごとごみ箱に捨てている、という方も多いのではないだろうか?「何か問題が起こったことはない」という方も、知識として知っておいて損はないはずだ。なぜ注意したほうがよいのか、その理由から解説する。

乾燥剤の中には発熱や発火のリスクがあるものも

ひと口に乾燥剤といっても、その中身にはいろいろな種類がある。本稿で取り上げるのは「シリカゲル」「石灰乾燥剤」「塩化カルシウム」「脱酸素剤」であるが、このうち石灰乾燥剤に関しては、発熱や最悪の場合発火といったリスクがあるため注意が必要、というわけだ。

2. 乾燥剤(シリカゲル)の捨て方

シリカゲルの写真
それでは乾燥剤の種類別に適切な捨て方を解説していこう。まずはシリカゲルからだ。

シリカゲルとは

二酸化ケイ素を原料として作られる、ビーズ状の乾燥剤がシリカゲルである。毒性はなく水分を吸収しても溶けたり膨らんだり、発熱したりしない。こうした性質から、現在もっとも広く使われている乾燥剤の中身である。
なおシリカゲルの乾燥剤は、ポリエチレンといったプラスチック製の袋や、アルミもしくは不織布製の袋に入っていることが多い。

シリカゲルを使った乾燥剤の正しい捨て方

シリカゲルの特徴として「水に濡れても発熱しない」という性質がある。このため可燃ごみとしての捨て方が一般的だ。袋も可燃ごみで出せるのであれば、そのまま廃棄しよう。

自治体によっては「不燃ごみ」の場合もある

基本的には可燃ごみでOKだが、ごみの分別ルールは自治体によって異なる。乾燥剤を不燃ごみに分別する自治体もあるため、捨てる前にお住まいの自治体のルールを確認しよう。とくに引っ越した方は以前住んでいた自治体とルールが異なる場合があるため要チェックだ。

3. 乾燥剤(石灰乾燥剤)の捨て方

石灰乾燥剤のイメージ写真
続いて石灰乾燥剤の捨て方を解説する。冒頭でお伝えしたように、こちらはシリカゲルと違って注意が必要である。正しい捨て方を事前に知っておくことが大切だ。

石灰乾燥剤とは

酸化カルシウムを原料とする「生石灰」で吸湿するタイプの乾燥剤が石灰乾燥剤である。シリカゲルよりも安価だが、水分に反応して膨らんだり発熱したりする性質がある。このため取り扱いに注意が必要だ。石灰乾燥剤は耐水紙や耐油紙でできた袋に入っていることが多い。

生石灰を使った石灰乾燥剤の正しい捨て方

石灰乾燥剤を捨てる際は、水分を含むものと一緒に混ぜないようにすることが大切だ。たとえば水分を含む生ごみの袋に入れてた、濡れたウェットティッシュと重ねてごみ箱へ入れたなどという場合、発熱するかもしれないので注意しよう。
なお基本的には「可燃ごみ」として処分できるが、自治体によっては「不燃ごみ」のこともある(※1)。事前に必ず分別方法を確認しておこう。

石灰乾燥剤を濡らしてしまったときは火傷に注意

うっかり石灰乾燥剤を濡らしてしまった場合は、速やかに可燃物から離して熱が引くまで待とう。捨て方や取り扱い方を誤ると、場合によっては火傷をするおそれもある。「大丈夫だろう」と安易に判断しないことが大切だ。

4. 乾燥剤(塩化カルシウム)の捨て方

塩化カルシウムのイメージ写真
続いて塩化カルシウムが使われている乾燥剤の正しい捨て方などを見ていこう。

塩化カルシウムとは

優れた吸湿性をもつ塩化カルシウムを使用した乾燥剤もよく見られる。吸湿すると柔らかくなったり液体になったりするタイプで、クッキーなどのお菓子や押入れの吸湿剤などに用いられる。シリカゲルや石灰乾燥剤よりも高価で、シートタイプの乾燥剤として使われることもある。

塩化カルシウムを使った乾燥剤の正しい捨て方

基本的には可燃ごみだが、たとえば押入れの除湿剤などに見られる液体になるタイプは、多量の水道水を流しながら中身(水溶液)を排水するというケースがある。ジェルタイプやゼリータイプなど、商品ごとに正しい捨て方が変わるため必ずパッケージを確認しよう。

5. 乾燥剤(脱酸素剤)の捨て方

脱酸素剤のイメージ写真
聞き慣れないかもしれないが、意外と使われているのが脱酸素剤を使った乾燥剤だ。こちらも捨て方を確認していこう。

脱酸素剤とは

脱酸素剤はほかの乾燥剤とややタイプが異なる。粉末の還元鉄が主成分で、文字通り酸素を吸収することによって(無酸素状態にすることで)食品などの酸化を防いだり、害虫やカビを防いだりする。「食べられません」「電子レンジ不可」などと書かれているタイプはこれだ。

脱酸素剤を使った乾燥剤の正しい捨て方

基本的には可燃ごみでOKだが、やはり自治体によって分別ルールが異なる場合がある。事前に必ずお住まいの自治体のホームページなどで確認しよう。

6. 乾燥剤の捨て方|自治体の実例

自治体のゴミ収集車の写真
乾燥剤の正しい処分方法は、自治体によって細かくルール分けされていることもある。一例だがいくつか紹介しよう。

自治体別・乾燥剤の捨て方の例

  • 渋谷区:「可燃ごみ」
  • 横浜市:衣類用を含む防虫剤(シリカゲル)、乾燥剤ともに「燃やすごみ」
  • 大阪市:乾燥剤(シリカゲル)は「普通ごみ」
  • 広島市:「可燃ごみ」ただし多量の場合は回収業者に依頼
  • 京都市:乾燥剤(食品用)は「燃やすごみ」
  • 名古屋市:シリカゲルと脱酸素材は「可燃ごみ」、生石灰は「不燃ごみ」
すべて自治体のホームページに、あらゆる素材の乾燥剤について捨て方が掲載されているとは限らない。見当たらないときは適当に処分するのではなく、必ず問い合わせて確認しよう。

7. 大量の乾燥剤や事業活動で発生した乾燥剤の捨て方

中身が飛び出したシリカゲル乾燥剤の写真
ここまで、食品のパッケージなどに入っている小さな乾燥剤などの捨て方を解説してきたが、中には大量の乾燥剤を処分しなければならなかったり、事業活動などで出た乾燥剤の処分方法に困っていたりする方もいるだろう。その場合はどのような捨て方がベストなのだろうか?

大量の乾燥剤は自治体に相談または回収業者へ

どこからを「大量」とするか線引がやや難しいが、上述のように広島市では、ピアノに入っているような大量の乾燥剤は回収業者に依頼するようにとしている。
一般家庭から通常想定される排出量を超えそうなときは、事前に自治体に確認をしておくほうがよいだろう。

事業活動で出た乾燥剤は基本的に「産業廃棄物」として処分

事業活動で排出されるごみはすべて産業廃棄物である。このため基本的には乾燥剤も産業廃棄物となる。ただしシリカゲルは品目上「汚泥」として処理されるため、事前に業者に相談するとよいだろう。
ほかに「汚泥」で回収する廃棄物があれば、まとめられるしコストも軽減できる可能性がある。

8. 乾燥剤に使われるシリカゲルと石灰乾燥剤は再利用が可能

ガーデニングの土に乾燥剤の中身をまいているところのイメージ写真
シリカゲルや石灰乾燥剤は再利用する方法もある。たとえばシリカゲルは、温めることで再び乾燥剤として利用できる。また使い終わった石灰乾燥剤は、畑や庭の肥料として再利用が可能だ。その理由や具体的な再利用方法を紹介しよう。

シリカゲルは加熱して水分を飛ばせば再利用できる

シリカゲルが吸収した水分を飛ばすことで、乾燥剤としての機能が復活する。袋からシリカゲルを出し、フライパンでゆっくり温め(炒)よう。水分を吸ったシリカゲルはピンク色や白色になることが多いが、それが青色になれば再利用できるサインだ。
なお電子レンジで温める方法もあるが、一気に加熱すると破裂するおそれがある。正しい知識がないのであれば控えたほうがよい。

水分を吸収した石灰乾燥剤は肥料として再利用できる

生石灰に含まれる酸化カルシウムは、水分を吸収することで消石灰に変化する。この消石灰は、土壌改良材として畑や庭の肥料に再利用できる。
石灰はアルカリ性のため、消石灰となった乾燥剤を畑や庭の土に入れることで、酸性になった土壌を中和させられるというメカニズムだ。雨が多く土壌が酸性化してしまう地域などでは役立つかもしれない。

結論

乾燥剤を捨てる際はお住まいの自治体のごみ出しルールを守り、正しい捨て方で処分しよう。とりわけ石灰乾燥剤の扱いには注意が必要だ。またシリカゲルや石灰乾燥剤は、捨てる以外にも水分を飛ばして再び乾燥剤として使ったり、肥料にしたりすることができる。ごみとして処分する前に活用してみてはいかがだろうか?
(参考文献)
この記事もCheck!「捨て方」特集!
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  • 公開日:

    2020年8月23日

  • 更新日:

    2023年8月13日

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