目次
1. スリランカとスリランカ料理の特徴とは?

スリランカはインドの南部に位置し、インド洋に浮かぶ島国である。高温多湿の熱帯地域であり、南国らしいココナッツなどを使った料理が有名。また、島国であることから漁業も盛んで、海産物を使った料理も多い。味付けはスパイシーなものが多いが、ココナッツミルクと合わせたマイルドなものもある。地理的に南インドの影響を受けているものの、独自の食文化を形成しているといえる。
2. スリランカカレーとは?具材やスパイスも!

スリランカカレーとはその名前のとおり、スリランカで作られているカレーのことだ。スリランカでは「ライス・アンド・カレー」の名前で呼ばれており、カレーはスパイスのきいた煮込み料理全般を意味する。メインは魚介類が多いが、ヒラマメ・マトン・チキンなどを使うこともある。また、油や小麦粉を使わずココナッツミルクをベースにしているため、スープ状でサラサラとしている。
使われている主な具材
海洋国であるスリランカでは、カレーのメインに魚・エビ・カニ・イカなどの海産物を使うことが多い。また、味付けにモリジブ魚で作った乾物(鰹節)を使うことも多いそうだ。ただし、必ずしも海産物を使うわけではなく、野菜類・豆類・肉類などを使うこともある。また、煮込むときは1種類の具材だけを使うのが基本であり、メインとなる食材の味わいを活かしたカレーとなっている。
使われている主なスパイス
スリランカカレーでは、ミックススパイスである「トゥナパハ」が味の決め手となる。家庭やお店により使われるスパイスは異なるが、主にコリアンダー、クミン、マスタードシード、フェンネル、シナモン、カレーリーフ、クローブなどを使うことが多い。現地ではスパイスを乾煎りしてから、パウダー状になるよう擂り潰す。そして、これらを混ぜ合わせたものを「トゥナパハ」と呼んでいる。
3. スリランカカレーとインドカレーの違い

スリランカ料理は南インド料理の影響を強く受けているため、似ている料理が多い。しかし、カレーに関しては異なる点も少なくない。国民食であるスリランカカレーは家庭や店舗により味付けや作り方は異なるが、一般的なスリランカカレーとインドカレーには以下のような違いがある。
インドカレーとの違いのまとめ
- 具材:肉類ではなく、魚やエビ、カニ、イカなどをメインにすることが多い
- スパイス:ホール状ではなく、擂り潰したパウダー状のものを使うことが多い
- 作り方:油はあまり使わず、ココナッツミルクをベースにして作ることが多い
- 食べ方:カレー・おかず・コメを少しずつ混ぜ合わせながら食べること多い
4. 日本で注目を集めるスリランカカレーの魅力

スリランカカレーは少しずつ日本でも知名度が高まり、最近の東京などでは専門店も増えているという。なぜスリランカカレーに注目が集まっているのか。その理由についても確認しておこう。
魅力1.色々な味が楽しめる
通常、日本のカレーライスといえば、1種類のカレーを食べることが基本だ。しかし、スリランカカレーでは数種類のカレーを混ぜて食べることが多い。そのため、味に変化をつけながら料理を楽しむことができる。また、スリランカカレーの場合はおかずの量が多いのも特徴である。数種類あるおかずを組み合わせることで、最後まで違った味のカレーを食べることができる。
魅力2.美味しいのにヘルシー
スリランカカレーはココナッツミルクや魚介類を使って作るため、油・小麦粉・肉類を使うインドカレーや日本のカレーよりもヘルシーといわれている。また、スパイスを多く使っているが、ココナッツミルクを使っているためマイルドなので食べやすい。ただし、ヘルシーとはいってもココナッツミルクには100gあたり157kcalのエネルギー量がある(※1)。食べ過ぎには注意しよう。
5. 絶品!スリランカ風チキンカレーに挑戦しよう

スリランカカレーは専門店で食べたほうが本格的な味を楽しむことができるが、自宅でもスリランカ風のカレーを作ることは可能だ。味の決め手となるスパイスは一つずつ用意してもいいし、ネットで「トゥナパハ(カレーパウダー)」を購入してもよい。準備ができたら以下の手順で作ってみよう。
スリランカカレーの作り方・手順
- サラダ油を熱した鍋でスライスした玉ねぎを炒める
- 玉ねぎがきつね色になったら、スパイスを入れて炒める
- 全体に火が通ったら、一口大に切ったチキンを加える
- 肉の表面に焦げ目がついたら、水を加えて煮込む
- 15分程度煮込んだら、ココナッツミルクと鰹節を加えて煮込む
- 塩で味付けを調整したらスリランカ風チキンカレーの完成
6. 市販のおすすめ「トゥナパハ」を紹介!

家でスリランカカレーを作る際には、市販の「トゥナパハ(スリランカカレーパウダー)」があると簡単で便利だ。トゥナパハは輸入食品を取り扱っているお店のほか、Amazonや楽天市場などのECモールで購入することも可能である。以下ではネットで人気の「トゥナパハ」をいくつか紹介する。
その1.Shinharaja Ghee「スリランカカレーパウダー」
「スリランカカレーパウダー」は、バターオイルの製造・販売などで有名なシンハラージャ・ギー(Shinharaja Ghee)のトゥナパハである。こちらもコリアンダー・クミン・フェンネル・シナモンなどのスパイスを使っていることが特徴で、スリランカ料理などを作る際に役立つ。こちらもAmazonで購入することが可能である。
その2.表参道スパイス研究所「サバとフェンネルのスリランカ風スパイスカレー」
「サバとフェンネルのスリランカ風スパイスカレー」は、三重県三重郡にある表参道スパイス研究所が販売しているスリランカカレー用のミックススパイスである。サバ缶・トマト缶を使って作るカレーであり、簡単に本格的なスパイスカレーを楽しむことができる。Amazonや楽天市場などで購入することが可能だ。
その3.ルフヌフーズ「カレーパウダー(アム・トゥナパハ)」
「カレーパウダー(アム・トゥナパハ)」は、スリランカの大手スパイスメーカーであるルフヌフーズが製造しているトゥナパハである。コリアンダー・クミン・フェンネル・ターメリックなどのスパイスを配合しており、豊かな香りを楽しめるが特徴となっている。日本には神戸にあるスリランカ料理店の「カラピンチャ」が輸入しており、同店のオンラインショップで購入することが可能だ。
その4.アメ横大津屋「スリランカ カレーパウダー 100g」
「スリランカ カレーパウダー 100g」は、上野アメヤ横丁にあるインド料理食材専門店である大津屋商店が販売しているトゥナパハである。コリアンダー・クミン・フェンネル・シナモンなどのスパイスを使っており、香りが豊かなスリランカカレーを作るのに役立つ。評価が高い商品であり、Amazonなどで購入することが可能だ。
7. スリランカカレーをより美味しく食べるポイント

出来上がったスリランカカレーをより美味しく食べるなら、「インディカ米と一緒に食べる」「スリランカのおかずを用意する」などがおすすめ。これにより本物のスリランカカレーに近い味わいを楽しめるようになる。それぞれのポイントについて以下で詳しく確認しておこう。
ポイント1.コメはインディカ米がおすすめ
スリランカではコメと一緒にカレーを食べることが多いが、コメは日本でよく食べられている「ジャポニカ米」ではなく「インディカ米」という品種が主流である。インディカ米のほうがジャポニカ米よりも粘り気が少ないため、スープ状のスリランカカレーとよく馴染む。より本場のカレーライスとして楽しみたいのであれば、インディカ米で食べるようにしよう。
ポイント2.スリランカのおかずも用意しよう
スリランカカレーではたくさんのおかずと一緒に食べることが基本。そこで「サブジ」のようなスパイスのきいたポテト煮や、「サンポーラ(サンポル)」のようなココナッツ風味の和え物を作るのもおすすめだ。ほかにも「ポリヤル」のような揚げ野菜とスパイスの和え物などとも相性がよい。詳しくは別ページで解説しているので、合わせてチェックしておくとよいだろう。
結論
日本のカレーやインドカレーとは異なる特徴を持つ「スリランカカレー」。その味はカレー通の舌をも唸らせるほどで、次世代のスパイスカレーとしても注目を集めているという。市販のトゥナパハを使ったり、スパイスを合わせたりすれば家庭でも本場の味を楽しむことも可能。一味違うカレーを楽しみたいなら、ぜひスリランカカレーに挑戦してみよう。
【参考文献】
- ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/
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