目次
1. クロタン・ドゥ・シャヴィニョールの由来とは?

クロタン・ドゥ・シャヴィニョールという発音しにくいフランス語であるが、言語学の分野から見ても興味深いチーズである。フランスで最も名前が知られているといっても過言ではない、同チーズの由来や歴史をみていこう。
「クロタン」の意味するものは?
クロタンという日本人からするとかわいらしい響きの言葉は、フランス語では「馬糞」を意味する。ひょっとして、香りがあまりにきついからこのような名前になったのであろうか。幸いにして、馬糞の意味するところはにおいではない。クロタン・ドゥ・シャヴィニョールの平均的な大きさは60g前後。熟成後のころっと丸い外観がまるで馬糞のようであるため、このように名付けられた。
また、中世に存在した同名のランプの形状から派生した言葉という説もある。
また、中世に存在した同名のランプの形状から派生した言葉という説もある。
人口200人の村シャヴィニョールが発祥の地
シャヴィニョールは、ロワール地方にある人口200人ほどの小さな村である。クロタン・ドュ・シャヴィニョールは、この地が発祥とされている。「シャヴィニョール村の馬の糞」という言葉がチーズの名前となっているというわけである。
クロタン・ドュ・シャヴィニョールという言葉が文書中に登場するのは1829年であるが、16世紀にはすでに存在していたといわれている。農家の女性たちが、このチーズの作り手であり、貧しい村に副次的収入をもたらす産物として生産されてきた歴史を持つ。
20世紀、フィロキセラという害虫によってぶどうの木が壊滅的な打撃を受けた時代には、クロタン・ドゥ・シャヴィニョールの製造は、ロワール地方の農家の生活を支える役割を果たした。
クロタン・ドュ・シャヴィニョールという言葉が文書中に登場するのは1829年であるが、16世紀にはすでに存在していたといわれている。農家の女性たちが、このチーズの作り手であり、貧しい村に副次的収入をもたらす産物として生産されてきた歴史を持つ。
20世紀、フィロキセラという害虫によってぶどうの木が壊滅的な打撃を受けた時代には、クロタン・ドゥ・シャヴィニョールの製造は、ロワール地方の農家の生活を支える役割を果たした。
2. 伝統的な製法を守るクロタン・ドュ・シャヴィニョール

ヤギ乳のチーズは、馬糞という名前がなくても独特のにおいがあるイメージを持つ。その香りや食味が、フランス産のワインと絶妙なマリアージュを醸し出すのである。クロタン・ドゥ・シャヴィニョールの味わいは、どのように作られるのであろうか。製法や熟成期間を紐解いてみよう。
クロタン・ドュ・シャヴィニョールの伝統的な製法とは?
クロタン・ドゥ・シャヴィニョールは、典型的なシェーヴルタイプのチーズである。無殺菌のヤギの乳からカードを作り、12~24時間かけて静置する。熟成期間は、最低でも2週間。その後、4ヶ月にわたる熟成期間において、さまざまな風味のクロタン・ドゥ・シャヴィニョールを味わうことができる。
熟成期間によって用途が広いチーズ
クロタン・ドゥ・シャヴィニョールは、熟成期間によって食味が変わるために、用途が非常に広いチーズである。少し加熱して溶かしたり、カットして食べたりとさまざまに楽しめる。パリでは一時期、このチーズを溶かしてサラダに乗せることが流行した。また、品質や生産工程が公的に認められた証である「AOC(原産地統制名称)」の認証を受けたチーズでもある。
3. クロタン・ドゥ・シャヴィニョールのさまざまな味わい方

ヤギ乳のチーズは、一般的に独特の香りがあるため好き嫌いがわかれる。しかし、やみつきになる可能性も秘めているといえるだろう。熟成期間により味わいが変わるのも特徴だ。
熟成期間が短いと繊細な味わい
クロタン・ドゥ・シャヴィニョールの中でも熟成期間が短い「Jeune」と呼ばれる状態では、フレッシュで柔らかな味わい。甘みがありとろけるような食感が特徴である。ヤギのチーズの繊細さを堪能できる。はちみつと食べても美味しい。このタイプは、故郷を同じくするサンセールやソーヴィニヨンブランのワインと相性がいい。
長期熟成すると辛味が特徴に
さらに熟成させた「Bleuté」では、牧草が香りそうな青カビチーズとなる。また、最も熟成が長い「Affiné」の状態になると、辛味と独特のにおいを堪能できる。赤のフルボディと合わせれば最高である。
ちなみに、サンセールの町では5月の最初の日曜日に、クロタン・ドゥ・シャヴィニョールのお祭りが開催される。機会があれば訪れてみてはいかがだろうか。きっとさまざまな味わい方を楽しめるはずだ。
ちなみに、サンセールの町では5月の最初の日曜日に、クロタン・ドゥ・シャヴィニョールのお祭りが開催される。機会があれば訪れてみてはいかがだろうか。きっとさまざまな味わい方を楽しめるはずだ。
結論
フランスを代表するヤギのチーズ、クロタン・ドュ・シャヴィニョール。古くから農村に伝わり、女性たちの手によってその伝統が受け継がれてきた。また、貧しい農家の家計を支えるという、社会的にも重要な役割を果たしてきたチーズである。熟成期間によって味わいが変わるクロタン・ドゥ・シャヴィニョール、それぞれのタイプから好みを見つけて美味しく食べてほしい。
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