1. ハタとは?
ハタとは、ハタ科ハタ亜科の魚の総称のことだ。かなりの種類があるが、マハタ・クエなどの高級魚が有名である。狭義でいうと、ハタは「マハタ」を指すことが多くなっている。ハタ科の魚は頭が大きくて、特にぽってりとした口が特徴的である。また、食用とされることも多く、非常に美味しいことで知られている。ちなみにハタは関東での呼び方で、九州では「アラ」と呼ばれることが多い。
マハタとは?
マハタとは、ハタ科ハタ亜科の中でも中心的な魚である。全長は180cm程度になることもあるが、市場に出回るものは40~60cm程度のものが多くなっている。色味は全体的に紫色のような淡褐色で、体側に黒褐色の縞模様があるのが特徴である。主な産地は、福岡県・長崎県・山口県などの西日本となっている。身は非常によく締まっていて、煮付け・粗汁・刺身などにして食べても美味しい。
マハタの旬と産地
ハタにはさまざまな種類があるが、狭義のハタである「マハタ」の旬は秋頃から春先までとされている。実際、東京都中央卸売市場の統計を見ても11月頃から3月頃まで流通量が多くなっている(※1)。また、マハタは北海道から九州まで広い範囲に生息しており、全国的に漁獲が可能となっている。ただし、一般的には福岡県・長崎県・山口県などの西日本での漁獲量が多くなっている。
2. マハタはハタハタやクエとどう違う?
ハタ(マハタ)は高級魚でありながら、流通量が少ないため一般的にはなじみが少ない魚である。そのため、ハタハタと混同していたり、クエとの違いを知らなかったりする人も多いようだ。そこで簡単にマハタが、ハタハタやクエとどのように違うのか紹介しておこう。
ハタハタとの違いは?
ハタとハタハタを混同する人もいるが、ハタハタはハタハタ科ハタハタ属の深海魚である。秋田県の県魚として知られており、体長25cmと比較的小さめなのが特徴だ。一方、ハタの種類は多いため体長10cm程度の小さなものもいるが、マハタは最大で180cm程度になる大型魚である。見た目も味わいも異なるため、一度見比べればハタとハタハタを混同することは少なくなるだろう。
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クエとの違いは?
マハタとクエは、同じハタ科ハタ亜科の魚である。体長は100cmほどと小さめで、体色は茶褐色となっている。また、味はハタの中でも最も美味しいといわれており、時期によっては1kgあたり1万円程度になる超高級魚である。そのため、一般的な食卓に料亭などで食されることがほとんどだ。クエはさまざまな食べ方が可能となっているが、クエ鍋が最も美味しいとされており人気がある。
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3. ハタの栄養価はどれくらい?
文部科学省の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」には、ハタ(マハタやクエ)の栄養価は収録されていない(※2)。そこでアメリカ合衆国農務省のデータベースを参考に、ハタ(生)の100gあたりの栄養価を紹介しておこう(※3)。
ハタ(生)100gあたりの栄養価
- エネルギー:92kcal
- たんぱく質:19.38 g
- 脂質:1.02g
- 炭水化物:0g
- 脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.233 g
・一価不飽和脂肪酸:0.202 g
・多価不飽和脂肪酸:0.321 g - ビタミン
・ビタミンA(レチノール):43μg
・ビタミンD:-μg
・ビタミンE:-mg
・ビタミンK:-μg
・ビタミンB1:0.07mg
・ビタミンB2:0.005mg
・ナイアシン:0.313mg
・ビタミンB6:0.3mg
・ビタミンB12:0.6μg
・葉酸:0μg
・パントテン酸:0.75mg
・ビタミンC:0mg - ミネラル
・ナトリウム:53mg
・カリウム:483 mg
・カルシウム:27 mg
・マグネシウム:31 mg
・リン:162 mg
・鉄:0.89 mg
・亜鉛:0.48 mg
・銅:0.02 mg
・マンガン:0.014mg
・セレン:36.5μg - 食物繊維:0g
4. ハタの美味しい食べ方3選
ハタ(マハタ)はスーパーや魚屋などでもあまり見かけないが、釣りなどで入手できる可能性がある魚である。もしハタ(マハタ)を手に入れることができたら、以下のような方法で食べてみよう。
その1.マハタのお刺身
新鮮なマハタを手に入れたら、ぜひお刺身にして食べてみよう。一般的に大きいマハタなら薄造り、小さいものなら平造りで食べるのがおすすめである。ほんのりと身に甘みがあり、しっかりとしたハリ感を楽しむことができる。クセが少なく食べやすいので、一度手を付けたら止められないほどだ。
その2.マハタのちり鍋
白身魚を使った鍋料理である「ちり鍋」もおすすめだ。鍋に水・酒・昆布を入れて熱しておき、そこにマハタの切り身・白菜・長ネギ・キノコ・豆腐などを加える。それを煮込めばちり鍋の完成だ。ちり鍋を食べるときは、ポン酢醤油を使うのがよい。また、アクセントに一味唐辛子を使ってみよう。
その3.マハタのポワレ
マハタを焼いて調理したいなら、オリーブオイルを引いて焼き上げる「ポワレ」がおすすめだ。ポワレの作り方は、マハタの切り身を皮のほうから焼いていく。そして、皮に焼き目をつけてから、フタをして身をふっくらと焼き上げるというものだ。身が柔らかく仕上がるのでおすすめの焼き料理だ。
結論
ハタはハタ科ハタ亜科の魚の総称であり、その中にはマハタ・クエ・アカハタなどさまざまな種類がある。いずれも非常に美味しいが、高級魚であるため中々食べる機会は少ない。釣ったり、料亭などで見かけたりしたら、ぜひハタを食べてみよう。
【参考文献】
- ※1:東京都中央卸売市場「市場統計情報(月報・年報)」
https://www.shijou.metro.tokyo.lg.jp/torihiki/geppo/ - ※2:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm - ※3:U.S. DEPARTMENT OF AGRICULTURE「FoodData Central」
https://fdc.nal.usda.gov/fdc-app.html#/food-details/171962/nutrients
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